現場の社員をIT人材に育てるリスキリングの「ここ」が知りたい——星野リゾートと情報システム総研に聞く


 業務を熟知した現場の人材をIT人材に育成する——。星野リゾートは今、IT内製化のための人材を社内から発掘し、育てる取り組みを行っています。

 Darsanaでは、星野リゾートが内製化のための人材をどのように発掘したのか、また、伴走型コンサルと共に、具体的にどのような形で内製化のための教育を進めているのかを当事者の方々に聞くイベントを開催しました。

 イベントレポートの後編では、イベントの参加者から寄せられた質問に、星野リゾートのIT人材教育に伴走している情報システム総研の児玉公信氏、同氏の支援でIT知識ゼロのところから今や内製化要員として活躍している星野リゾート 情報システムグループ プロジェクト推進チームのリーダー、眞鍋悠氏、眞鍋氏の上司で星野リゾートのIT戦略をリードする久本英司氏にお答えいただいた模様を動画でご紹介します。

動画インデックス

・Q&A
 -Q1:巨額かつ重要なIT投資について取締役会や経営会議を経ず「システム投資判断会議」で決定することのメリットはどのようなものなのでしょうか。社外取締役や監査役が確認することなく決定するのはデメリットのように感じますが、取締役会等の決定事項に変更しようといった議論はなかったのでしょうか。【00:00:04】
 -Q2:IT知識ゼロのところから内製化スタッフを育成するというテーマは自分と重なる部分があります。ぜひ、意欲のあるメンバーを巻き込む技やコツをお聞きしたいです。【00:04:07】
 -Q3:業務現場の出身者がシステムを設計をすると、夢見がちな設計をしてしまうイメージがあります。それに対して何か対策をしていますか?【00:16:20】

登壇者プロフィール

星野リゾート 情報システムグループ グループディレクター 久本英司氏

軽井沢移住をきっかけに星野リゾートに入社。田舎の温泉旅館のひとり情シスでのんびりリゾートライフを送る予定が、海外4拠点を含む全国60拠点に急拡大。既存のホテル運営の枠にとらわれない戦略を実現するために独自のシステム構築の必要に迫られ、グループ全施設の予約システム、顧客システム、現地運営システム、管理系システム、インフラ、セキュリティ、IoTに至るまで自前化するための体制を模索し続ける。コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業の現場で、55人のメンバーと共に生き残りをかけて奮闘中。

株式会社 情報システム総研 代表取締役社長/モデラー 児玉公信氏

東京都立大学(心理学専攻)卒業。石油元売り,大学受託研究員,鉄鋼系情報子会社を経て,現在,株式会社情報システム総研代表取締役社長。技術士(情報工学部門),博士(情報学)。モデリングとシステム思考に基づく基幹情報システム再構築のコンサルなどに従事。著書に「UMLモデリング入門」「UMLモデリングの本質」,訳書に「アナリシスパターン」「リファクタリング」など多数。

星野リゾート 情報システムグループ プロジェクト推進チーム リーダー 眞鍋 悠氏

2009年新卒で星野リゾートに入社。星野リゾートのユニークな競争力であるフロント、料飲サービス、客室清掃、調理業務をマルチタスクで行う仕組をグループ施設に導入する部署に所属したのち、 ITに関しては未経験ながら情報システム部門に異動。モデリング技術を学び、現在は次世代の基幹システムの設計をリードする。

株式会社 AnityA(アニティア) 代表取締役 中野仁

国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。

イベント企画

後藤祥子記事一覧

ITmediaエンタープライズの担当編集長を経て独立。現在はエンタープライズITの変革者に伴走するメディア「Darsana」の編集長として、変革者へのインタビュー、イベント企画、コミュニティ運営を手掛けている。ITとビジネスをつなぐ役割を担っているCIO、IT部門長へのインタビュー多数。モットーは、「変化の時代に正しい選択をするのに役立つ情報を発信すること」

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