2013年にトヨタ自動車から1次仕入先である旭鉄工に転籍し、積極的なDX投資とそれを支える組織と企業風土の改革で、2015年には前年比利益10億円増を実現した旭鉄工株式会社の木村哲也社長。「必要なのは経営者がDX人材になること」と語る木村社長が進めた変革のプロセスとそこから見えるDX時代の本質とは——。
改革の時代に経営者とITリーダーが持つべき「ITシステム投資」の視点をテーマにしたイベントの動画記事後編では、旭鉄工株式会社の木村哲也社長とAnityA代表取締役社長の中野仁がイベント参加者からの質問にお答えする模様を動画でご紹介します。
動画インデックス
・Q&A
-Q1:電力削減施策をしたとして、全体でこれだけ削減できました!という数値は公開できるものの、個別の削減情報は隠すべき、というポリシーが管理部門にはあると思います。「個別の情報は公開できない」という心理面をどう打破すれば良いでしょうか?【00:00:03】
-Q2:経営層が自分たちは変わる必要がない(自分達が成功してきたから今があるのだから、自分は何も覚える必要はないし、変わる必要もない)と学習しようとしない経営層がいる会社はどうしたらよいのか?【00:02:22】
-Q3:セキュリティ投資など、利益に直結しない投資の妥当性判断をどう考えていますか。【00:05:48】
-Q4:旭鉄工さんの変革のIT投資において、特に重要だと考えた点はどこですか? また、そのポイントを実現するためにどのような戦略やアプローチで取り組んだのでしょうか?【00:07:04】
-Q5:付加価値ファースト拝読しました。生産技術側面でのカイゼンについてモチベーションを保つ方策も含め語られてましたが、営業部門の改革(労務費や減価償却の算定を仕組み化されてましたが)はどのように進めたのでしょうか。【00:10:16】
-Q6:内製化が進み、社員だけで開発が完了するようになった時、IT投資とは何を指すのかが知りたいところです。【00:17:23】
-Q7:データの重要性を説きながら、データ分析/基盤構築に掛ける投資に価値を見出せないマネジメント層に対して、下のものとしてどう切り込んでいけばよいでしょうか。【00:19:53】
-Q8:少量多品種で組立作業の割合が高い製造業で勤務しています。IoTのThingsが少ない会社での取り組みとして、何かアドバイスいただければ幸いです。【00:24:38】
登壇者プロフィール
旭鉄工株式会社 代表取締役社長 i Smart Technologies株式会社 代表取締役社長 CEO 木村哲也氏
1992年東京大学大学院工学系修士修了、トヨタ自動車に21年勤務。おもに車両運動性能の開発に従事後、生産調査室でトヨタ生産方式を学び2013年旭鉄工に転籍。製造現場はもちろん、経理、営業でもIoTデータを活用する体制を構築し、労務費を年4億節減するなどで損益分岐点を29億円下げ、同じ売上高で利益を10億円上乗せ。電力分CO2排出量もすでに26%低減など大きな成果を上げる。
「旭鉄工の成功ノウハウを他社でも役立てたい」と「i Smart Technologies株式会社」を設立し、IoTモニタリング、データ分析、改善指導までトータルで生産性向上を実現するKaaS(Kaizen as a Service)を全国展開。その実績が評価され、2018年に経済産業省主催「第7回 ものづくり日本大賞 特別賞」を受賞するなど受賞歴多数。これまで数百回の講演、100社以上の改善指導実績あり。
著書に『Small Factory 4.0 ~第四次「町工場」革命を目指せ!』(三恵社)、『付加価値ファースト〜常識を壊す旭鉄工の経営~』(技術評論社)がある。日本デジタルトランスフォーメーション推進協会アドバイザー。
株式会社 AnityA(アニティア) 代表取締役 中野仁
国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。