内製化に舵を切ろうと思ったものの、IT人材の雇用は難しく、社内人材の発掘やリスキリングには時間がかかる——。IT部門の内製化が注目される中、このような悩みを抱える企業が少なくありません。
そんな中、社内で人材を発掘し、IT知識ゼロのところからIT内製化のためのスタッフを育成しているのが星野リゾートです。同社のIT部門では、伴走型コンサルタントの協力を得て、現場のプロとして働いてきた社員をITのプロへと教育し、内製化要員として活躍してもらおうという取り組みを始めています。
Darsanaでは、星野リゾートが内製化のための人材をどのように発掘したのか、また、伴走型コンサルと共に、具体的にどのような形で内製化のための教育を進めているのかを当事者の方々に聞くイベントを開催しました。
本記事では、星野リゾートの内製化を伴走型で支援している情報システム総研の児玉公信氏、同氏の支援でIT知識ゼロのところから今や内製化要員として活躍している星野リゾート 情報システムグループ プロジェクト推進チームのリーダー、眞鍋悠氏のプレゼンテーションの模様を動画でご紹介します。
動画インデックス
・星野リゾート 眞鍋悠氏のプレゼンテーション「伴奏型コンサルと進める内製とリスキリングの形〜接客スタッフを3年でIT人材に。私達の試行錯誤〜」
- 思い上がり期:現場経験の自信からくるIT部門のスタート【00:02:38】
- 自信喪失期:経験の延長の領域ではできない仕事だと気づく【00:05:06】
- 視界が開けた本との出会い【00:10:40】
- 仕事の全体が描け、見えたことでできた「スキル定義」【00:12:29】
- メンバーを支援しながら実務を通して学ぶ「場」について【00:16:10】
・情報システム総研 児玉公信氏プレゼンテーション「伴走型コンサルが考えていること」
- 「モデリングの指導」から始まった伴走型スタイル【00:25:51】
- 何を考えて伴走しているのか~情報システムサイクルとは【00:34:23】
- 正統的周辺参加〜古参者が本物の世界を見せるつもりでの伴走【00:45:36】
登壇者プロフィール
星野リゾート 情報システムグループ グループディレクター 久本英司氏
軽井沢移住をきっかけに星野リゾートに入社。田舎の温泉旅館のひとり情シスでのんびりリゾートライフを送る予定が、海外4拠点を含む全国60拠点に急拡大。既存のホテル運営の枠にとらわれない戦略を実現するために独自のシステム構築の必要に迫られ、グループ全施設の予約システム、顧客システム、現地運営システム、管理系システム、インフラ、セキュリティ、IoTに至るまで自前化するための体制を模索し続ける。コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業の現場で、55人のメンバーと共に生き残りをかけて奮闘中。
株式会社 情報システム総研 代表取締役社長/モデラー 児玉公信氏
東京都立大学(心理学専攻)卒業。石油元売り,大学受託研究員,鉄鋼系情報子会社を経て,現在,株式会社情報システム総研代表取締役社長。技術士(情報工学部門),博士(情報学)。モデリングとシステム思考に基づく基幹情報システム再構築のコンサルなどに従事。著書に「UMLモデリング入門」「UMLモデリングの本質」,訳書に「アナリシスパターン」「リファクタリング」など多数。
星野リゾート 情報システムグループ プロジェクト推進チーム リーダー 眞鍋 悠氏
2009年新卒で星野リゾートに入社。星野リゾートのユニークな競争力であるフロント、料飲サービス、客室清掃、調理業務をマルチタスクで行う仕組をグループ施設に導入する部署に所属したのち、 ITに関しては未経験ながら情報システム部門に異動。モデリング技術を学び、現在は次世代の基幹システムの設計をリードする。
株式会社 AnityA(アニティア) 代表取締役 中野仁
国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。