【動画】変わることができない組織に「見切りをつける」際の撤退基準は? 「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」の市谷氏に聞いてみた


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成果に乏しい「裸の王様DX」、現場が疲弊している「大本営発表DX」、終わりない疲弊が続く「眉間に皺寄せてやるDX」、実行体制や方法がない「屏風のトラDX」──。難しいDX現場で全力を尽くそうとは思うものの、討ち死にもしたくない。そんなDX現場のリーダーは、チームや自身が生き残るための生存戦略をどう考えればいいのか──。

 本記事では、AnityAが2022年4月6日に開催したイベント「荒ぶる『勘違いDX四天王』を前にITリーダーはどう動くべきか 『カイゼン・ジャーニー』の著者と考える」の模様を動画でご紹介します。

 前編中編に続く後編では、イベント参加者のみなさまから寄せられた質問に、著書「カイゼン・ジャーニー 」「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」で知られるレッドジャーニー代表 市谷聡啓氏と、株式会社AnityA(アニティア)代表取締役社長の中野仁がお答えする模様を動画でご紹介します。

動画インデックス

Q&A:難しいDXの現場で生き残っていくために、ITリーダーはどう振る舞えばいいのか

Q1【00:02:07】
私が勤める会社は従順なフォロワーシップで出世した人も多く、クリティカルシンキングでWhyから疑って考える人が少ないという実感があります。そのため、プロジェクトが行き詰まると一気に停滞します。「そもそも論」を一緒に考えてもらうためには、どんなふうに働きかけたらいいのでしょうか。弊社は内部のIT部門の意見より外部コンサルの意見を聞くので、コンサルには水を差す役回りをお願いすることが多いです。

Q2【00:09:49】
変われない組織に見切りをつける(討ち死に回避)際の撤退基準について、どのようにお考えでしょうか。

Q3【00:14:35】
現在、マインド面からの改革を実践してますが、時間がかかることから焦るばかりです。冒頭のプレゼンテーションにあった「残された時間が少ない」ということを考えると、何年、我慢して推進すればよいのだろう……と自問自答する日々です。市谷さんが考える「日本企業に残された時間」はどのくらいですか?

Q4【00:20:00】
コンサル依存からの脱却はどのような方法で進めたらいいでしょうか。弊社は、すでにコンサルにどっぷり浸かっていますが……。

Q5【00:23:47】
変革が可能と思われる組織、もう手遅れな組織の見極めのポイントがあればご教示お願いします。個人的には(1)年齢、役職を問わず試行錯誤が可能(2)健康的で文化的な最低限の年収・労働時間・環境が確保できている(3)組織衰退後で実は上位下達がしやすく、変革のためのナラティブが展開しやすい──の3つだと考えています。

Q6【00:28:26】
IT部門の人材育成についての質問です。BPR(ITありきではない考え方に沿って)を通じて人材育成・人脈構築をしていくことが、DXに対応できる組織力強化につながるのでしょうか?

Q7【00:31:36】
【質問】対談で出たように、志ある人に「自分で考えていいんだ」という自己効力感を体感してもらうことは急務だと思います。組織を変えるには、公式な承認と予算をとって実施するのが理想ですが、なかなか通りません。だからといって、いったん非公式で実施してしまうと「ずっとボランティアで」と言われてしまうのが悩みです。

Q8【00:38:45】
定量的な数値、ROIやKPIを求められることが多いです。無理筋でも提示していくしかないのでしょうか。別の逃げ方で、よい打ち手があれば教えてください。

Q9【00:42:49】
日本企業がすでに焦土と化しているとしたら、どうやって闇市が起こり、復興していくのでしょうか。そのジャーニーをお聞きしたいです。

Q10【00:46:16】
何をするのにしてもゴール、目標、ありたい姿があるべきで、それがない企業は終わりなのでしょうか。

Q11【00:47:41】
本質的な課題として、組織に所属する大半が、「その組織全体やサービス、社会といったレベルでものごとを考える」のではなく、「組織内の特定部署を代表してものごとを考える」ことにあると思っています。この状態から脱するために、我々には何ができるのでしょうか?

Q12【00:48:48】
DXブームにおいては、「自分たちが稼ぐことを優先するコンサルタント」もいると思います。それを見分ける方法を教えてください。

Q13【00:50:33】
「自分で考えて考え抜いた後に、コンサルに壁打ちする」──そのサイクルを回すことが幸せへの道なのではないかと思いました。そういう壁打ち相手のビジネスを提供している会社はありますか。

登壇者プロフィール

レッドジャーニー代表 市谷聡啓氏

大学卒業後、プログラマーとしてキャリアをスタートする。国内大手SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサーやアジャイル開発の実践を経て独立。現在は日本のデジタルトランスフォーメーションを推進するレッドジャーニーの代表として、大企業や国、地方企業のDX支援に取り組む。新規事業の創出や組織変革などに伴走し、ともにつくり、課題を乗り越え続けている。訳書に「リーン開発の現場」、おもな著書に「カイゼン・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」「チーム・ジャーニー」「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」、新著に「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」がある。

株式会社 AnityA(アニティア) 代表取締役 中野仁

国内・外資ベンダーのエンジニアを経て事業会社の情報システム部門へ転職。メーカー、Webサービス企業でシステム部門の立ち上げやシステム刷新に関わる。2015年から海外を含む基幹システムを刷新する「5並列プロジェクト」を率い、1年半でシステム基盤をシンプルに構築し直すプロジェクトを敢行した。2019年10月からラクスルに移籍。また、2018年にはITコンサル会社AnityAを立ち上げ、代表取締役としてシステム企画、導入についてのコンサルティングを中心に活動している。システムに限らない企業の本質的な変化を実現することが信条。

イベント企画

後藤祥子記事一覧

ITmediaエンタープライズの担当編集長を経て独立。現在はエンタープライズITの変革者に伴走するメディア「Darsana」の編集長として、変革者へのインタビュー、イベント企画、コミュニティ運営を手掛けている。ITとビジネスをつなぐ役割を担っているCIO、IT部門長へのインタビュー多数。モットーは、「変化の時代に正しい選択をするのに役立つ情報を発信すること」

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