
※本記事は、斎藤昌義氏の著書「図解 コレ1枚でわかる最新ITトレンド」(技術評論社刊)の一部を編集し、転載しています。
現場の事実を知るためのしくみが「IoT」です。
モノに組み込まれたセンサーから、モノそのものやモノの周辺で起きる「ものごと」や「できごと」を、デジタルデータとして取得する仕組みと言い換えることもできます。Webやモバイルなどのデジタルな仕組みも、同様に現実世界の「ものごと」や「できごと」をデータとして集めます。
それらのデータから「デジタルツイン」が作られ、これを機械学習によって分析し、課題を解決するための最適解を見つけ出します。そのためには、何を解決するのかをあきらかにし、データから何を見つければいいのか、どう活用すればいいのかを見極めなくてはなりません。
そのうえで、最適な機械学習のアルゴリズムを選択し適用するといったデータ・サイエンスのスキルが必要です。
さらにその成果を活かして、機械の制御、現場への指示、情報提供などをおこないます。これによって現場が変化し、その変化した現場を、再びデジタルデータとして捉えます。この一連のサイクルがCPS(サイバーフィジカルシステム:Cyber-Physical System)です。
このしくみを機能させるには、さまざまなアプリケーション・システムを開発し、さらに現場のニーズの変化に即応してシステムを開発・改善する必要があります。
すべて1から作るのは現実的ではないため、実現に必要な機能が部品として用意されているプラットフォームを活用します。プラットフォームには、最新のテクノロジーを活かしたアプリケーション開発に必要なさまざまな機能や他のアプリケーションとの連係に必要なインターフェースも用意されています。さまざまなアプリケーションは、クラウド・コンピューティングで実行され、そこにデータも保管されます。
一方で、低遅延での処理やネットワークに送り出すのはリスクが高い認証をおこなうアプリケーションなどは、モノに組み込まれたコンピュータやモノの周辺に置かれたサーバで処理されます。このしくみをエッジ・コンピューティングといいます。
この両者をつなぐために、低遅延、高速、膨大な端末接続を実現する5G(第5世代移動通信システム)に期待が寄せられています。アジャイル開発とDevOpsもまた、変化に即応し臨機応変に現場のニーズに応えるためには必要となるでしょう。
